こんにちは!こんばんは!みみかきです。
今回のテーマは「レバナスの積立投資はやっても良いのか?」です。
レバナスとはナスダックに2倍のレバレッジが掛かった投資信託の略称です。
正式名称は「iFreeレバレッジNASDAQ100」です。
レバレッジとは、てこの原理と訳され、所持金以上の取引ができることで、ハイリスクハイリターンな手法です。
レバナスやTQQQといった対象指数に2倍、3倍のレバレッジが掛かった銘柄がありますが、このような銘柄に積立投資するのはありなのか検証していきます。
先に結論を言ってしまうと「宝くじ感覚で少額ならあり」です。
積立投資は長期運用を前提に投資するものですが、レバレッジ型の投資信託には不向きな特徴を持っています。
ですが、積立してみた結果を見ると投資をしてみたくもなると思います。
レバレッジ型投資信託の特徴やリスク、積立シミュレーションなど詳しく解説していきます。
レバナスを詳しく解説
繰り返しになりますが、レバレッジ型の投資信託はいくつかあり、もっとも有名なのが…
iFreeレバレッジNASDAQ100
通称レバナスです。
ほかのレバナスを知りたいならこちらの記事をどうぞ!
この投資信託はナスダック100を対象指数として、日々の値動きの2倍になるように調整しています。
値動きについて説明すると、日々の値動きの2倍であって、株価が2倍になるわけではありません。
ナスダックが1日に100円上昇したら、レバナスは200円上昇し、50円下落したら、100円下落します。
レバレッジの長所は上昇時にはとても威力を発揮する一方で、短所は下落または横ばいではめっぽう弱いです。
こちらの図をご覧ください。
まず、ナスダックが一方的に上昇した場合です。
上昇だけならナスダックより大きな差をつけて基準価格が高くなります。
次にナスダックが±10%の範囲で上昇・下落を繰返した場合になります。つまり、横ばい状態です。
4日目のナスダックの基準価格は基準日の価格に戻っています。
しかし、レバナスは基準日の価格より下回ってしまっています。
一方的に下落した場合には上昇とは逆にナスダックより下げる結果です。
このように、上昇では強い一方で、横ばい、下落時にはとても弱い特性があります。
では、実際のチャートで見てみましょう。
下図は過去5年のチャートです。
レバナスのチャートがないため、同じ値動きをする「QLD」とナスダックに連動した「QQQ」を比較してみました。
レバナスの上昇と下落のボラティリティ(値動き)がだいぶ大きいことがわかると思います。
- コロナショックの下落では、ナスダックより大きく下げています。
- その後、大規模金融緩和の上昇相場では、レバナスはナスダックの3倍近く上昇しました。
- しかし、インフレ懸念から急激な金利上昇にて、大きく下げてナスダックの株価まで下げています。
さらに見て欲しいのが、最高値の位置です。それぞれの最高値にラインを引いてみました。
ナスダックは大規模金融緩和で最高値をつけた後、2024年には最高値を更新しました。
しかし、レバナスでは2024年に最高値を更新できていません。
これが先ほど図で説明した横ばいの状態で、上下を繰り返すと自然と株価は下がってしまう特徴があります。
つまり、長期運用を前提としている積立投資で値動きも激しくて、横ばいでも値下がりするレバナスの積立投資を長く続けるのは難しいと思うのが結論です。
次に実際に積立をしてみるとどんな結果になるのかシミュレーションしてみたいと思います。
レバナスで積立シミュレーションしてみた。
過去のチャートを元に積立したらどうなっていたのかをシミュレーションしてみました。
比較対象として、ナスダックもシミュレーションしました。
積立条件は以下の通りです。
積立金額:毎月1万円(元本215万円)
積立期間:2006年6月〜2024年4月(215回)
さて、結果はどうなったのでしょうか!?
ジャン!
レバナスがナスダックの3倍になっています!!!
元本からすると10倍以上!!!!!
凄すぎ…これがレバレッジの力なのか…。
ナスダックの株価はこの10〜20年でずーっと右肩上がりでした。
その恩恵を受けたレバナスの株価はナスダックを大きく引き離し、一時4,700万円まで大きくなりました。
しかし、米国金利上昇で株価は急落し、1,700万円まで減っています。
最終的には金利引き下げの期待で株価は上昇しました。
実際にこのポジションを保有していたと思うと、下げた時の衝撃が大きすぎて、狼狽売りしちゃうと思います。
資産が3,000万円も減ってしまったのですから…
売却するタイミングは?
売るタイミングが難しいのが投資です。
投資が上手な人は買うタイミングより売るタイミングを大事にしています。
利益が乗ってても、タイミングを逃しただけでマイナスに転ずることなんてしばしば…
なぜ、あの時売らなかったのかと後悔して損切することもあります。
例えばですが、売却方法を考えてみます。
- 積立額の2倍、3倍など目標金額に達して満足いく利益ならいったん売って利益を確定させる。
- 市場が最高の楽観モードになっている時に売る。まだ上がるかもしれないと欲張らない。
「頭と尻尾はくれてやれ」底値で買い、最高値で売りたいものですが、予想できないため上下は少し残しても良いという投資格言の1つです。
言いたいことは、長く持ち過ぎないことです。
もっと上がるだろう、最高値で売りたい!と思っても売ることは至難の業です。
シミュレーション結果を過信しすぎず、心地よい利益だと思ったら売っても後悔はないのではないでしょうか。
利確は正義!
損失を抱えてしまった時は?
遅かれ早かれ金額の大小関係なく含み損を抱えてしまうことはあると思います。
そんな時はどのように考えていけば良いでしょうか。
この決断は非常に難しく、選択肢は3つあると思います。
- 買い増し:いつか回復すると信じて売却せずに積立を継続する。
ベースがナスダックだから今後の上昇に期待して、淡々と積立する。
- 売却:一旦売却する。
下がったところで売却資金を元手に積立を開始するのもアリ。
- そのまま放置:積立投資を停止する。
もうレバナスに投資するのはやめたけど損切したくない。
ただ、どれも最後の決断は自分でしなくてはいけません。
含み損が辛い金額だったら、投資金額が大きいので、部分的でも売却して小さく積立を再開する。もしくは、全て売却して辞めてしまうのもアリです。
私自身も大きな損切を何度もしてきました。
自分でリスク許容できる金額から始めてください。
まとめ
レバナスの積立投資について検証してみました。
- 上昇には強く、横ばい・下落には弱い
- 値動きが激しく長期運用では精神的ツライ
レバナスは夢のある投資ですが、リスクが大きすぎて投資初心者には向きません。
シミュレーション結果を見ると投資をしたいと思うかもしれません。
しかし、これからも右肩上がりで上昇するとは限りませんし、どのようになるか未来は読めないので、値動きが激しいレバナスに全力で投資をするのは危険だと思っています。
そのため、全額失っても問題ないくらいの金額で投資をするなら問題ないと思います。
暴落が無ければ(運が良ければ)、すごい資産を築けるかもしれません。
説明したレバレッジという特性を理解したうえで、投資するなら良いでしょう。